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一升ビンの引き取り価格が5円と0円の違いは何?

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先日、呑み切った日本酒の空きビンを酒屋さんに持って行きました。
すると、ほとんどのビンは5円で引き取ってもらえました。
しかし、お金にならないビンもありました。

5円で引き取ってもらえるビンと0円のビン、何が違うのでしょうか?
気になったので調べてみることにしました。

引き取り価格5円のビン

酒屋さんの話によると、引き取り価格が5円になるビンの条件は2つ。

・緑色か茶色のビン
・一升(いっしょう)1.8Lのビン

それ以外のビン、例えば黒や透明のビンや4合(720mL)ビンはお金にならないそうです。

ビンの色や容量によって、お金になったりならなかったりする理由は何でしょうか?

再利用される緑色と茶色の一升ビン

緑色と茶色の一升ビンは、出荷量の約91%を占めています。

出荷量が多いのは、一升ビンを再利用しやすくすることが目的です。

緑色と茶色以外の一升ビンは、約9%しか出荷されていません。

そのため再利用されることが少ないのです。

緑色や茶色であっても、表面をくもりガラスにしたフロスト加工ビンは9%の中に含まれているので再利用されません。

出荷量の多い緑色と茶色の一升ビンは、再利用されるため5円で引き取ってくれたのです。

小さなビンなどは再利用されにくい

日本酒の容器別出荷量を見ると、50%近くが紙製容器となっています。

その他は、4合(720mL)ビン、300mLビン、樽、カンなどで、18.9%です。

私が酒屋さんに持っていった4合(720mL)ビンは、18.9%に含まれるため出荷量は一升ビン(1.8Lビン)に比べてかなり少ないことが分かります。そのため、あまり再利用されないようです。

出荷量が少ない小さなビンなどは再利用されにくいので、引き取り額がつかないことが多いのです。

再利用される一升ビンの課題

日本酒造組合中央会では、「一升びんガイドブック~環境に優しいリユース容器~」というガイドブックを発行しています。

その中のコラム欄に考えさせられる記事がありましたので、引用したいと思います。

「酒屋さんで引き取ってくれない」という声

かつては1.8Lびんの空きびんの価値が高かったので、酒屋は空きびんを買い取っていました。空きびんはびん商が買い取り、酒屋は空きびんを取り扱うことでいくらかの利益を得ていたわけです。しかし現在では空きびんの価値が低く、経済的なメリットがなくなってしまいました。スーパーで買って空きびんだけ酒屋さんに返されるのは迷惑・・という意見もあります。空きびんは中身を買った店に返しましょう。


日本酒造組合中央会:「一升びんガイドブック~環境に優しいリユース容器~」より引用

1949(昭和24)年頃の1.8Lビン1本の価格は80円だったようです。
1950(昭和25)年の日雇い労働者の1日の賃金が260円(コインの散歩道:明治~平成 値段史より引用)なので、1.8Lビン1本の価格80円は相当な額だということがわかります。

しかし、2020年現在では、様々な理由により一升ビンの価値が下がってしまいました。そのため、手間がかかる割には利益が少ないので、積極的にビンを回収してくれるお店が減ってきているようです。

ガラスで作られている一升ビンは大切な資源です。ゴミとして捨てられるのはもったいないですね。

地域によって違う一升ビンの引き取り価格

日本酒造組合中央会の「一升びんガイドブック~環境に優しいリユース容器~」によると、一升ビンの引き取り価格は地域によって違っているようです。

北海道地方:■■■3円
東北 地方:■■■3円
関東 地方:■■2円
中部 地方:■■■3円
関西 地方:■■■■■■■7円
中国 地方:■■■■■5円
九州 地方:■■■■■■■■8円
沖縄 地方:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■20円

価格は需要と供給のバランスで決まります。

関東のように、空の一升ビンが必要量より多く出回っていると価格は安くなります。

逆に沖縄のように、空の一升ビンが必要量より少ない場合は価格が高くなります。

空の一升ビンの引き取り価格は、全国一律ではないのです。

一升ビンの引き取り価格が5円と0円の違いは何? まとめ

私は日本酒を酒屋さんで買うので、一升ビンは酒屋さんに返すのが当たり前だと思っていました。

ところが、最近ではコンビニやスーパーなどで日本酒を買う人が増えているようです。コンビニやスーパーは、空きビンを引き取っていないところが多いので、空きビンを返すという習慣がなくなってきています。

大切な資源である一升ビンを再利用することは、地球環境に優しい行動だと思います。そのために、自治体や酒造メーカー、販売店が協力して、消費者の意識を変えていくことが必要でしょう。

一升ビンの再利用がすすむことを願っています。

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