【知れば得する純米酒の選び方】純米〜純米大吟醸の4種類を知ろう

純米酒の4種類

純米酒を買いに酒屋さんへ行くと、冷蔵庫の中には様々な名称のものが並んでいます。ラベルを見ると、お酒の名前以外に「純米酒」と書いてあるものや、「純米大吟醸 無濾過生原酒」などと漢字が11個も並んでいるものもあります。

どうやら美味しい純米酒を選ぶためには、ある程度の知識があった方がよさそうです。

ここでは、純米酒の種類について詳しく解説します。

純米酒は精米歩合と製造方法の違いで4種類

純米酒は、精米歩合と製造方法の違いによって次の4種類に分けられます。

(1) 純米酒:精米歩合の規定なし
(2) 特別純米酒:精米歩合60%以下
(3) 純米吟醸酒:精米歩合60%以下、吟醸造り
(4) 純米大吟醸酒:精米歩合50%以下、吟醸造り

2003年までは純米酒の精米歩合は70%以下と規定されていましたが、2004年からはその規定はなくなっています。それぞれの酒蔵が、米の味を引き出す工夫をしやすいようにした措置のようです。このことにより、より個性的な純米酒が造られるようになりました。

精米歩合とは

日本酒の香りや味を良くするために、原料の米の表面を削ることを精米といいます。

精米歩合とは、削った後の重量が元の重量の何%になったかを表した数値です。

精米歩合の数が小さいほど、たくさん削るということになります。

普段の食事で食べている食米の精米歩合はだいたい90%ですが、大吟醸酒の精米歩合は50%以下、つまり半分以上も削るのです。

反対にできるだけ米を削る量を減らして、米の味をしっかり出した純米酒もあります。

製造方法とは

純米酒・特別純米酒は、米本来の美味しさを引き出す製法で造られるため、しっかりとした味が楽しめます。

吟醸酒・大吟醸酒は、香りが高くなる吟醸造りという製法で造られるため、フルーティーな香りが楽しめます。

吟醸造りは、国税庁の資料によると、次のように説明されています。

【吟醸造り】(ぎんじょうづくり)

吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することをいいます。

国税庁:「清酒の製法品質表示基準」の概要より引用

吟醸造りの純米酒は、きれいに精米した米を10度前後の低温で長時間発酵させて造るので、香りが逃げることなく、高級メロンのようなフルーティーな香り「吟醸香」をもつようになります。

4種類の純米酒の例

精米歩合と製造方法の違いで4種類に分類される純米酒ですが、それぞれに美味しさの特徴があります。

実際にどのようなお酒があるのか一品ずつ例を挙げます。どれも美味しいので、純米酒選びの参考にしてください。

純米酒の例

誠鏡純米雄町八拾[広島県:中尾醸造]
・精米歩合:80%
・酒米:雄町

酒米「雄町」の豊かな味を楽しめる一品です。

特別純米酒の例

一白水成(いっぱくすいせい)[秋田県:禄寿酒造]
・精米歩合:約55%
・酒米:吟の精、秋田酒こまち

お米の味をたっぷりと味わえるふくよかな一品です。

純米吟醸酒の例

出羽桜[山形県:出羽桜酒造]
・精米歩合:50%
・酒米:山形県が生んだ出羽燦々

華やかな香りが楽しめる一品です。

純米大吟醸酒の例

鳳凰美田[栃木県:小林酒造]
・精米歩合:50%
・酒米:山田錦

甘味が絶妙、後口もさわやかで優雅な一品です。

まとめ

純米酒は、精米歩合と製造方法の違いで4種類に分類されます。

しかし、純米酒の味は4種類だけではありません。

純米酒の味は、原材料の米や水、貯蔵方法や熟成期間、その他様々な要素が絡み合って決まります。そのため無数の味があるといってもいいでしょう。

これだけ奥が深い純米酒を心ゆくまで楽しむためには、ある程度の知識が必要です。

【純米酒の選び方】失敗しないための3視点+知っておきたい7知識 では、純米酒選びで失敗しないために必要な3つの視点、美味しい純米酒を選ぶために知っておきたい7つの知識をまとめているので、ぜひお読みください。

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